企業内弁護士と顧問弁護士の業務の違い

増加傾向にある日本系企業の企業内弁護士

企業内弁護士とは、その企業に属する組織内弁護士のことです。
外資系の金融機関には、組織内弁護士が多く存在しています。業種別では、金融関連のほかに、保険、IT関連企業が、組織内弁護士を有している傾向が高くなります。
最近では、日本系企業全般においても、増加傾向にあります。企業内弁護士の仕事の内容については、所属する企業や部署によって異なるのですが、法律知識だけではなく、その企業ごとの専門領域に踏み込んだ業務をこなしています。
また、現場の業務に密着する以外にも、企業の法務部門の業務を行います。一般的に法務部門の業務とは、法的問題の把握、解決方針の策定、案件処理、案件の終結、日常業務へのフィールドバックという一連の流れを担っています。

企業内弁護士と顧問弁護士の違い

顧問弁護士との業務や役割の違いについては、企業内弁護士が担っている一連の業務のうちで、顧問弁護士に期待されるおもな業務は、通常、案件処理となります。組織内弁護士は、企業内の問題点を発見し、業務を外部に発注しますので、顧問弁護士の需要が減少するようなことはありません。
組織内弁護士が、社内で必要な事実関係や問題点を整理した上で、顧問の弁護士に案件処理を依頼しますので、顧問契約を結んだ弁護士側でも、スムーズに業務を遂行できるというメリットがあります。
顧問の弁護士には、あくまでも案件処理が求められており、案件処理のための前後の管理は、組織内弁護士の業務となっています。実質的な案件処理を任されますので、顧問の弁護士には、高い水準の業務遂行能力が求められています。

組織内弁護士の労働形態と転身

組織内弁護士は、所属する企業の業務とは別に、個人的に事件を受理することができるのかどうかについては、所属する組織の就業規則や就業時の契約によって異なります。通常、個人的な事件を受理することは、認められていない場合が多くなります。
ただ、常勤ではなく、パートタイムのような雇用形態の組織内弁護士については、通常、勤務時間以外は自由に、個人的な事件に従事することができます。

企業の法務部に所属していた組織内弁護士が、その経験をいかして、大手の法律事務所に転職するケースも少なくありません。転職後もその企業との関係が良好で、もともと組織内弁護士であった人と、顧問契約を結ぶ企業も存在しています。
組織内弁護士は、その企業ごとに特化した、専門分野の知的財産についての知識に秀でていますので、企業で得た専門性をいかして独立開業するケースもあります。